結婚式 ザンジバル編 3

8日目(土曜日)、披露宴。
この日も朝から招待客用の軽食を作るのに女性たちは大忙し。サンブサ、カトレシ、ケーキなど、流れ作業で大量の食べ物を作る。作り終わると今度は披露宴に向けてのおめかしが始まる。若い人たちは集まって服やメイク道具、香水などを貸し借りし、口論になるほど真剣に準備をしていた。おしゃれに気を抜かない彼女たちの姿勢は、見ていて頭が下がるほどだ。

披露宴はブワワニ・ホテルという大きなホテルの広間でおこなわれた。飾られたステージとたくさんのテーブルがあり、その上にはザンジバルでは珍しいフルーツ(リンゴやブドウなど)が盛られている。この日はステージの横にマイクや椅子がセッティングされており、そこでターラブの生演奏が始まった。招待客はもちろん立ち上がってステージ前に集まり、踊る。指先で紙幣を縦にはさみ、頭上でゆらゆら動かしながら踊る。気に入った歌の時にはその紙幣を歌手におひねりとして差し出すのだ。これは生演奏の醍醐味かもしれない。

ターラブが数曲演奏され盛り上がったところで、新郎新婦の入場だ。かわいいドレスを着てリングピローを持った女の子2人に先導され、新婦は白いウエディングドレス、新郎は黒のスーツで入場してきた。ステージに上がり、記念撮影、指輪交換。そして新婦の誕生日祝いも兼ねてケーキカット。日本ならこの日だけでも十分立派な結婚式だと思えるような演出だ。さらにターラブが数曲演奏され、20時に始まった披露宴は片付け終了が夜中の2時と長時間に及んで終了した。

9日目(日曜日)は特に何もなく過ぎた。

10日目(月曜日)、チャイ。
新婦の介添人だった親戚の家で「チャイ」と呼ばれるホームパーティーが開かれる。昼から集まって料理の準備や、会場作りをする。会場となる庭にはテーブルと椅子がセッティングされ、新郎新婦の席には背後にきれいな布を張って飾りつけがされた。暗くなってから始まったチャイは、新郎新婦と、新婦の親族中心の小さなパーティーで、大きな行事を乗り越えた新郎新婦の2人は、この日やっと自然な笑顔が見られた。スピーカーから爆音で音楽を鳴らし、家族みんなで踊る。アットホームで暖かい雰囲気のパーティーだった。

10日にわたる結婚式はこうして終わったのだが、それから3日後、新婦の家でちいさなお祝いがあった。この家はコモロ系の一家のため、この日新婦はコモロの衣装を着ていた。米とココナツが入れられたザルの上を、新婦がゲタのようなものを履いて2度3度またぐと、誰かがそのココナツを「パーン!」と地面に叩きつけて割って、おしまい。どんな意味があるのかまったくわからないが、衝撃的だった。

その翌日、新婦は新郎の家に引っ越していった。これまでの楽しい、おめでたい雰囲気とは打って変わって、友人が集まり、泣いて別れを惜しんでいた。2度と会えないわけではないけれども、すぐ身近にいなくなる寂しさからだろう。結婚式の後半頃からポツリポツリと聞かれた「寂しくなるわ」という言葉。そう思うからこそ、結婚式は新婦側でできるかぎり盛大に祝い、楽しい記憶として残すのかもしれない。(C)

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